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絶対音感と相対音感の違い|子どもの音感はどう育つ?

「絶対音感がある子のほうが、音楽に向いているの?」 「うちの子は今からでも間に合うの?」


子どもの音楽教育に関心のある保護者の方なら、一度は耳にしたことがある“絶対音感”という言葉。

ですが実は、音感にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴と役割があるとされています。


この記事では、「絶対音感」と「相対音感」の違いをわかりやすくご紹介し、近年の研究で示されている新しい見解や、STUDIO MOTIFの教育方針についてもお伝えします。



絶対音感とは、基準音を聴かずに音の高さを判別できる能力とされ、たとえばピアノの「ソ」の音を聴いて、即座に「ソ」と言い当てられるような感覚を指します。


この能力を持つと、音楽だけでなく日常生活の中で聞こえる音にも“音名”が浮かぶようになることがあるそうです。たとえば救急車のサイレンが「ラ」と「ファ」に聴こえる、掃除機の音が「シ」に感じられる…といった体験が挙げられます。


一部の研究では、3〜6歳ごろの「臨界期」に集中的な音感トレーニングを行うことで、絶対音感が習得されやすい可能性があると指摘されています。


また、絶対音感とはそもそも習得するものではなく、生まれながらに誰もが持つものだという研究もあります。



一方で、相対音感とは「音と音の“距離感”を聴き取る力」のことを指します。

「ド」と「ミ」を聴いたとき、「ミはドより高く、間にレがある」といった関係性を認識する力です。


この相対音感は、


・ハモリをきれいに合わせる

・曲を移調(キー変更)して演奏する

・耳コピで再現する


といった場面で大きな役割を果たすとされています。


特に、楽器演奏や歌唱において「音を正しく出すアウトプット」と「音を正しく聴き取るインプット」の両方が必要とされるという考え方もあります。


相対音感は年齢に関係なく、日々の音楽体験を通じて育まれていくと考えられており、STUDIO MOTIFのレッスンでも大切にしている力の一つです。



近年の研究では、「絶対音感は誰もが持って生まれ、その後の言語や文化環境によって発現するかどうかが決まる」という仮説が提唱されています。


たとえばアメリカのHarvard大学と日本の京都大学の共同研究では、


「乳幼児期にはほとんどの人が絶対音感的な聴覚を持っており、その後言語の発達とともに失われる可能性がある」 という報告もあります(Saffran, J. R., & Griepentrog, G. J. (2001). Absolute pitch in infancy. Developmental Science, 4(1), 1-13.)。


これにより、音感は“生まれつき”だけで決まるものではなく、どのような音環境で育つかが重要である、という見方も注目されています。



「絶対音感があるほうが音楽に有利」というイメージを持たれることもありますが、実際には一長一短があり、音楽の楽しみ方や表現の幅によって求められる力も異なるといわれています。


たとえば絶対音感のある人は、


・曲の移調に混乱する

・他人と合わせるときの“ゆらぎ”に敏感すぎる


といった特徴を持つこともあるようです。一方、相対音感のある人は、


・曲の流れを理解しやすい

・他者と一緒に演奏しやすい

・ポップスやジャズなど即興性の高いジャンルに適している


とされることがあります。


音楽において大切なのは「どちらの音感を持っているか」ではなく、音をどれだけよく聴いて、どう自分らしく感じるかという感性だと、私たちは考えています。



STUDIO MOTIFでは、「正しく弾くこと」や「正確な音を出すこと」だけにこだわらず、お子さんが音楽を楽しむこと、心から音を好きになることを大切にしています。


そのため、


・音やリズムを使った遊びを取り入れたレッスン

・習った曲を先生と連弾する / 先生の伴奏で弾いてみる

・先生の伴奏で、その場で即興をやってみる


など、音楽との出会い方そのものに工夫を凝らしています。


音感の違いよりも、「どう音に向き合うか」「どんなふうに音に触れてきたか」が、将来の音楽体験の豊かさにつながっていく――そんな想いを込めて、日々のレッスンを行っています。


当教室にご興味を持っていただけたら、お気軽にご連絡くださいませ。

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